永遠のシュール
2024年01月10日
陽水の詞は「基本的に本質はビジョン(幻想)の表現」
「ビーズとパール」には、
たくさんの女性の名前が出てきて、
ちょっと爛熟した退廃的なものを感じます。
一方の「真珠」では「真珠の形は永遠のシュールだよ」と
歌っている。
バロック美術に造詣の深い宮下規久朗さんの著書
『バロック美術の成立』の中では、
バロックの世界観は「相反する力に満ちており、
科学と宗教、
現実と幻想、
冷静と熱狂、
理性と欲望、
秩序と混沌
とを併せ持っていたが、
基本的に本質はビジョン(幻想)の表現に求められる
と考えている」とおっしゃっています。
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社会学者・松島淨先生や宮下規久朗さんご指摘の
「爛熟した退廃的なもの」
「相反する力に満ちて」いるが
「基本的に本質はビジョン(幻想)の表現に求められる」
私が表現しきれていないことが
ズバリ書かれており
「陽水は歌のバロックだ」という提案に
改めてなるほどと感じた次第です
「本質はビジョン(幻想)」では
「イミテーション・コンプレックス」が思い浮かびました
これもバロックのような感じがしますがどうでしょう
♪ 星が全部 イミテーション ♪
♪ 街は全部 イミテーション♪
♪ 恋は全部 イミテーション ♪
いいっすねぇ~
「ビーズとパール」収録アルバム『バレリーナ』
「真珠」収録アルバム『永遠のシュール』
「イミテーション・コンプレックス」収録アルバム『カシス』
別冊カドカワ総力特集井上陽水
2024年01月09日
「陽水は歌のバロックだ」~社会学者・松島淨先生提案
バロックの語源は、
ポルトガル語で「いびつな真珠」という意味なのですが、
陽水はそれを知っていたのではないでしょうか。
なぜならば、
共通性のある2枚のアルバムに
“真珠”を含む曲が入っていたから。
それは先ほども名前が出た
『バレリーナ』と『永遠のシュール』。
前者には「ビーズとパール」、
後者には「真珠」という曲が入っています。
今回、なぜバロックだったかというと、
それは「バレリーナ」のジャケットイラストがきっかけでした。
すごいイラストですよね。
バレリーナのポーズもすごいですが(笑)、
私はこの絵を見て、
バロック期の画家・カラヴァッジョを思い出しました。
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陽水さんがバロックの語源を
ご存知だったかどうかは知りませんが
「いびつな真珠」
この言葉、陽水さんが興味を引きそうですね
そのいびつ性、歪んでいるさまを表現したかったのか
『バレリーナ』ジャケットの大胆な姿
“すごいイラストですよね” ホントホント
(今もそうかもしれませんが(笑))
衝撃を受けたのを覚えてます
そして、ジャケットを何度も眺めながら
黒のサングラスの奥から陽水さんはどこを見てるんだろうか
と想像を膨らませたものでした
こういうとき“ 黒のサングラス ”ってズルいですよね
バレリーナは大胆な姿をさらしてるのに
陽水さんは視線を隠しているんだから(笑)
アルバム『バレリーナ』
アルバム『永遠のシュール』
別冊カドカワ総力特集井上陽水
2023年09月21日
社会学者・松島淨「彼(陽水)は声を褒められても満足そうに見えませんでした」それが一転・・・
blog「通常“to you”と歌うところを“to me”」続き
こういった傾向の作品はほかにもあります。
話しが少し遡りますが、
'83年に発表した『バレリーナ』や
'94年の『永遠のシュール』なども、
「新しいラプソディー」のような狂詩曲だと思うのです。
アーティストですから、
自分の才能を評価するのは当たり前のこと。
昔、テレビで彼がインタビューされているのを見たのですが、
その時、彼は声を褒められても
あまり満足そうに見えませんでした。
評価されても、本人は満足しない。
個人的に言わせていただきますと、
声を褒められても満足そうな顔をしなかったことは、
アーティストとして当然のことだと思うのです。
そうして考えてみると、
社会的作品と自己愛的作品を交互に出すことは、
まさにアーティストとしてのナルシズムの表出、
そのものだと思います。
そうして、彼自身が『バレリーナ』などの
“狂詩曲”作りを楽しんでいたのではないでしょうか。
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「彼は声を褒められても
あまり満足そうに見えませんでした」
以前はそうだったと思いますが
ちょっと違った一面が・・・
『TBSラジオたまむすび』で
「陽水さんもね、本当にお声が素敵ですから」
「いいでしょ」(笑)
「もう受け入れだしました」(笑)
ヒットを飛ばし世の中に認められても満足することがなかった
と松島先生が指摘されたときから時が経ち
声を褒められて即座に満足げな反応する陽水さん
自己愛をストレートに表現!笑いを交えながら
この変化が楽しい
そんな今、曲を作るとどんな曲になるでしょうか
驚きと感動、癒しと笑いを期待しますが
ちょっとマズイでしょうか(笑)失礼しましたm(._.)m
アルバム『バレリーナ』
アルバム『永遠のシュール』
『別冊カドカワ総力特集井上陽水』
2023年03月24日
井上陽水/バラードの傑作「真珠」 #shorts
歌詞もメロディも
2023年03月05日
井上陽水「真珠」対照性をバラードで
「真珠」
♪ 真珠の形は永遠のシュールだよ
宝石の魅力は完璧なシャドウかな ♪
♪ 真珠の名前は単純にパールだよ
斬新な響きは瞬間のアートかな ♪
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私の勝手解釈ですが
“シュール”の非現実に対し
“完璧”の超現実
“単純に”の変化のない保守的なイメージに対し
“斬新な響き”の革新的
真珠の対照的な要素をバラードで表現
奥深~いのに、癒される曲
大好きです
「真珠」収録アルバム『永遠のシュール』
2017年07月16日
陽水、これで始めたら驚くよね!
井上陽水 FILE FROM 1969』
interview1994「偉人の処世術学習」文/大須賀猛
blog 陽水、結構でるね の続き
インタビュアー「しかも、アルバム冒頭ですからね」
陽水「これで始めたら
聴いた人が驚くよねって
最初は冗談で言ってたんですよ
そういう思いつきってだいたい1週間もすると
忘れてしまうんだけれど
どういうわけかスタッフが
いつまでも忘れずにいたものでね」
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やっぱり冗談から生まれた曲だったんだー
それっぽい匂いした (笑)
しかし、いつまでも忘れなかったスタッフ、GOOD JOB!
お蔭で笑わせていただきました
間違った、楽しませていただきました (^^)v
曲「Queen」の収録されているアルバム『永遠のシュール』
井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年07月15日
陽水、裏声・表声
interview1994「偉人の処世術学習」文/大須賀猛
昨日のblog 陽水、結構でるね を今日も使って
陽水「これまでにも
表声でどこまで高い音が出るかというのは
やってみたんですけど
裏声だったらどうかと
♪うわぁれはぁ~♪
お、結構出るね、なんつってね」
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「裏声」の反対、普通は「地声」
それをあえて「表声」と表現
確かにそうだよねー
う~ん、なるほどー
「表声」あってもいいんじゃない!
でも、ちょっと待てよ
だまくらかされてるか!?
まあ、いずれにしても
陽水さんの言葉、そのまま信じちゃいけない!ってね (^-^;
参考blog 落ち着いているイメージの陽水、でも階段で蹴躓くこともあるって
曲「Queen」の収録されているアルバム『永遠のシュール』
井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年07月14日
陽水、結構出るね
interview1994「偉人の処世術学習」文/大須賀猛
昨日のblog やっぱり調子が良かった陽水 の続き
陽水「これまでにも
表声でどこまで高い音が出るかというのは
やってみたんですけど
裏声だったらどうかと
♪うわぁれはぁ~♪
お、結構出るね、なんつってね」
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「♪うわぁれはぁ~♪
お、けっこう出るね、なんつってね」
えっ、冗談から生まれた曲なのか!?
瓢箪から駒 ならぬ
冗談から歌
陽水さんらしい(笑)
曲「Queen」の収録されているアルバム『永遠のシュール』
井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年07月13日
陽水、調子のいいとき
interview1994「偉人の処世術学習」文/大須賀猛
アルバム『永遠のシュール』
創作意欲にあふれた斬新な作品と紹介
1曲目の「Queen」
イントロでは靄(もや)のようなアンビエント・ギターが
けっこう長く鳴り続けている
弾いているのは陽水自身
約30秒、いつ歌にはいるんだろうと待ちくたびれたところに
異様な緊迫感をともなったファルセット・ヴォイス(裏声)が
聞こえてくる
陽水「これはね、普通は出ない、
調子のいいときにしか出ない高い声で曲を始めてみたら
面白いなと思って作った曲」
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昨日のblog 陽水、大事件 をご覧あれ
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調子が良かったからファルセット・ヴォイスが出た
じゃあ、調子の良いついでに
新作アルバム出しちゃおう!!!
そのアルバムが『永遠のシュール』
怠け者・陽水が2年連続アルバムリリースという大事件勃発(笑)
この時のスタッフさん、いいね~!!
よ~く、陽水さんをその波に乗せてくれました
ファンとして拍手喝采、感謝感激雨あられ (^_-)-☆
曲「Queen」の収録されているアルバム『永遠のシュール』
井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年07月12日
陽水、大事件
井上陽水 FILE FROM 1969』
interview1994「偉人の処世術学習」文/大須賀猛
井上陽水が、1年ぶりにニュー・アルバムを発表した
これは大事件だ
というのも、そもそも“怠け者”という
レッテルを貼られている彼が
1年のインターヴァルで新作を発表するなんて
どこの誰も考えていなかった!
こんなやる気を出した彼の心中やいかに?
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確かに、この当時はそうですよね
よく覚えてます
新しいアルバム出したら当分ないよねー
コンサートも数年に1回程度だし
まあ、あの人(陽水さん)だから、仕方ない(笑)
それを裏切るのが好きな御方
ファンにとっては、なになに?って感じでしたが
それでも嬉しい
そんなファン心理を知っての狼藉でしょ (^-^;
まったくもって、いやらしい
アルバム『UNDER THE SUN』1993年リリース
アルバム『永遠のシュール』1994年リリース
井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年07月04日
陽水“破壊と構築”
1994(46歳)
昨日のblog 陽水、使わなかったテイク の続き
アルバム『永遠のシュール』
「ロンドンでトラック・ダウンして
ニューヨークでマスタリングして
成田に着いたばかりのところに
陽水さんから電話があって
曲を入れ替えたいって(笑)
結局そのあと
日本でマスタリングし直しましたからね」
永遠のシュール
陽水さんが最初から決めていたというタイトルこそ
破壊と構築の極みかもしれない
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永遠のシュールは
“破壊と構築”
そんな意味を込めていたのか
陽水、深い!
“破壊と構築”
なのに、なんて心地いいんだ
この不条理感
極まってる
人間が存在するかぎり
永遠のシュールだ
アルバム『永遠のシュール』
『井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年07月03日
陽水、使わなかったテイク
『井上陽水 FILE FROM 1969』
1994(46歳)
アルバム『永遠のシュール』
“破壊と構築”
追求してみたいイメージをとことんつきつめる
完成しても納得がいかなければ廃棄する
世界的に知名度のある現代音楽の演奏家に
依頼したものの
最終的に使われなかったテイクもある
(飯泉俊之)
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納得がいかなければ
世界的に知名度のある現代音楽の演奏家であろうが
誰であろうが使わない
知名度という形式よりも納得という質をとる
井上陽水というブランド・クオリティを求める
並々ならぬ意欲が
黒のサングラスの奥にある
芸術家・井上陽水
単なるへそ曲がりじゃなかったんだ m(._.)m
アルバム『永遠のシュール』
『井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年03月14日
陽水、Kの手法
曲「カミナリと風」
歌詞
「カミナリと風に傷ついたけれど」
KaminariTo KaZeni
KiDuTsuiTa KereDo
強い発声、シャープな語になる
カ行とタ行、サ行が続く強調された歌詞
特に、Kがそれぞれ頭にくる
若さあふれた
歌い出しのインパクトとしては成功
参考blog 陽水、Nの手法
曲「カミナリと風」
の収録されているアルバム『永遠のシュール』
2017年03月12日
クルマで陽水、陽水も
interview1994「偉人の処世術学習」
参考blog 陽水、Nの手法
インタビュアー「前作の『UNDER THE SUN』に比べて
スローな曲が多いですよね」
陽水「3年前にクルマの免許を取ったんですけれども
だんだん運転にもゆとりが出てきてね
ゆっくり、こう、音楽を楽しみながら
ハンドルを握りたいなあ、と」
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クルマで音楽
いいですよねー
最近はカーナビで道案内されたり
テレビを観れたりして
少し鬱陶しいなあと思ったりしなくもないけど
私の若い頃では、クルマに乗るのは
彼女が出来たときか
音楽を思う存分楽しみたいとき
実際はほとんど後者 (^_^;
音痴な私もカセットテープを入れて
(CDやBluetoothではなく)
高速道路を飛ばし、ストレス発散
「飾りじゃないのよ涙は」「ジャストフィット」
「ダメなメロン」
『永遠のシュール』の中では
「真珠」「タイランドファンタジア」
よく歌いました
皆さんはどんな歌?
曲「真珠」の収録されているアルバム『永遠のシュール』
『井上陽水 FILE FROM 1969』
2017年03月11日
陽水、Nの手法
井上陽水 FILE FROM 1969』
interview1994「偉人の処世術学習」
blog 陽水、「真珠」を添えて「真珠」をプレゼント の続き
インタビュアー:大須賀猛
(アルバム『永遠のシュール』には)
ちょっと聞いただけではわからないが
面白い試みがあちこちにみられる
たとえば「真珠」の一節
♪斬新な響きは瞬間のアートかな、の部分で
N(ん)の音を4つ強調させたあと
アートかンな、と軽く余韻を響かせる手法
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この記事を読んで改めて聴いてみた
微妙
はっきりとN(ん)を入れているわけではないが
“かな”とN(ん)がないわけでもない
軽く余韻を響かせる手法!
なるほどー、ここまで聴きこまないと
陽水ファンとはいえないのかー
反省がしばらく続く毎日になりそう(^_^;
曲「真珠」の収録されているアルバム『永遠のシュール』